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--> MENU PCIとは? 治療方法 国循のPCI治療 安心のハートチーム リハビリについて 受診希望の方へ 医師紹介 よくある質問 --> 動画提供:Edwards Lifesciences Corporation/MEDTRONIC JAPAN CO., LTD/Abbott Japan LLC.--> PCIとは? 治療方法 国循のPCI治療 安心のハートチーム リハビリについて 受診希望の方へ 医師紹介 よくある質問 循環器ナショナルセンターとしての豊富な経皮的冠動脈形成術(PCI)治療実績 国循のPCI実績年間 773件 (心筋梗塞369症例) ※2022年(1-12月)実績 790件 (心筋梗塞364症例) ※2023年(1-12月)実績 経皮的冠動脈形成術(PCI)とは? 狭心症 心筋梗塞 不安定狭心症--> 無症候性心筋虚血 冠動脈瘤--> などに対するカテーテルを用いた負担が少ない治療法 狭心症や心筋梗塞は、血液中の脂肪やコレステロールが血管壁にこびりついたり、動脈硬化が進行したりして、心臓の血管が閉塞することにより発症します。通常は内服薬による治療が行われますが、それだけでは不十分で改善が得られない場合に経皮的冠動脈形成術(PCI)やバイパス術が必要になります。経皮的冠動脈形成術とは、狭くなった、あるいは詰まった冠動脈(心臓の筋肉に血流を送る血管) に対し、カテーテルを用いる治療法の総称です。PCI治療はカテーテル治療、ステント治療、冠動脈インターベンションと呼ばれることがあります。 経皮的冠動脈形成術(PCI): 治療前と治療後の比較(前下行枝へのステント留置後) 経皮的冠動脈形成術(PCI)の概要 穿刺を行いイントロジューサーシース(カテーテルを通過させる管)を挿入する 痛み止めを注射してから針を刺してシースを挿入します。シースを使用することで、冠動脈の入り口までカテーテルと呼ばれる細長い管を、血管の中をつたって、心臓に血液を供給している冠動脈の入り口まで通すことが可能になります。 手首の橈骨動脈から行う事が主流ですが、大腿動脈、あるいは肘の上腕動脈から行う事もあります。 3つのアプローチ比較 橈骨動脈(手首)アプローチ 上腕動脈(肘)アプローチ 大腿動脈(足の付け根)アプローチ 局所麻酔 手首 腕 足 平均治療時間 約1~2時間 治療後の安静度 手首は動かさない 肘を曲げない 歩行は翌日から 平均入院期間 最短2日~10日程度 ガイドカテーテルを冠動脈の入り口まで通す 冠動脈造影を行い狭窄部を確認する 治療が必要かどうかを判断する(FFR検査) ガイドカテーテルから造影剤を注入し血管の形態を確認します。緊急検査の場合や90%以上の狭窄があればそのまま治療を行いますが、50-75%の中等度狭窄の場合はFFR検査(冠血流予備能検査)を行い、治療の必要性を評価します。一般的にFFRの数値が0.8以下であれば治療適応となります。 FFRについて 左前下行枝 左前下行枝 ガイドワイヤーを通過させ、血管内の性状を確認する 血管内超音波(IVUS)の情報 PCIガイドワイヤー太さは0.3mm(0.014インチ)と細いですが、細かい操作ができるようになっています。 --> 出展:心臓血管病アトラス 血管内超音波検査(IVUS)から得た血管の太さ、狭窄部位、病変性状といった情報をもとに治療方法を決定します。石灰化病変は光干渉断層法(OCT)を用いて評価することもあります。 デバルキング(ロータブレーター、ダイヤモンドバック、ショックウェーブ、エキシマレーザー)を行う ※デバルキングとは:石灰化病変、血栓性病変に対し特殊な道具を用いて治療をおこなうこと。 バルーンで拡張する バルーン拡張 ステントを留置する バルーン拡張 ガイドカテーテルを抜く シースを抜去し止血を行う 病変が十分に拡張されているか、冠動脈に合併症が起きていないかを慎重に確認し、カテーテルを抜去します。問題がなければ、シースを抜去し止血を行います。止血は穿刺部位によって異なりますが、4時間から8時間程度圧迫が必要になります。 再狭窄について PCl治療後(薬剤溶出性ステント治療後)に1-3%程度の割合で同じ場所が再び細くなることがあります。この状態を再狭窄と言います。 再狭窄となった場合も、同様にPCI治療を実施します。喫煙を継続されている方や、内服を途中でやめてしまう方は特に再治療が必要になりやすいとされています。しかしながら、透析中の方、重度の糖尿病を患っている方、重度の石灰化病変、再治療の方は再狭窄率が他の方と比較して高くなります。そのため、再狭窄の可能性が高い方や再狭窄を繰り返す場合にはバイパス術も選択肢となります。 PCIとCABGの比較 PCI治療はバイパス手術と比較して侵襲が少なく治療期間が短く済むことがメリットですが、複数の病変がある場合には、数回に分けて行う必要があり、再狭窄の可能性が高くなることがデメリットです。一般的に長期治療成績はバイパス手術の方がPCI治療と比較して優れていることが報告されています。 PCI(経皮的冠動脈形成術) CABG(バイパス術) 患者さんの体への負担 軽い 重い 使用する麻酔 局所麻酔 全身麻酔 入院期間 短い 長い 急性心筋梗塞への適応 有効 通常行わない 予定治療*の死亡率 0.1%前後 1~2% 複数の病変 分けて治療することも多い 一度に治療する 治療可能な血管の太さ 2mm以上 1mm以上 ステント再狭窄 可能性あり なし 国循では内科医と外科医が同じチームとして一人一人の患者さんの病状を検討し、エビデンスに基づいた最適な治療を提案しています。 緊急入院して受ける治療ではなく、あらかじめ日時を決めておき、 事前に十分な準備を行ってから受ける治療のこと 出展:心筋伷塞.com 心臓外科では、全国から紹介を受ける重症例にも数多く対応しております。特に当院のCABG(バイパス術)は、 1)off pump CABG:脳梗塞リスクを減らすことができること 2)低侵襲冠動脈バイパス術:da Vinci ダビンチロボットシステムを使用した治療、のような特徴があげられます。また、遠隔成績が良いことが証明されている動脈グラフトのみを用いた冠動脈バイパス術を、世界に先駆けて開始し20年以上が経過しました。多くの患者さんが長期間にわたって元気に過ごされています。 国立循環器病研究センター心臓外科は、世界的に高い評価を受ける国内トップクラスのチームです。米国ニュースウィーク誌の世界専門病院ランキング心臓血管外科部門2023年では、主に欧米の超一流施設の中、世界25位、アジア2位にランクされました 冠動脈バイパス術: CABG, off pump CABG(OPCAB) PCIが不可能もしくは不適と考えられた場合に施行。 当院の特色として、脳梗塞のリスクを減らすことができる off pump 冠動脈バイパス術(OPCAB)を第一術式としている。 また、動脈のみを用いた冠動脈バイパス術を基本的な術式としている。 77歳、3枝病変、4箇所バイパス。両側内胸動脈と橈骨動脈を使用 77歳、透析患者、3枝病変、4箇所バイパス。両側内胸動脈と胃大網動脈を使用 低侵襲冠動脈バイパス術(MICS-OPCAB :1枝病変もしくは2枝病変) ヨーロッパのガイドラインでは単独LAD病変や、hybrid therapyに推奨。 左第4肋間もしくは第5肋間に約5-10cmの皮膚小切開。 da Vinci ロボットシステムを使用した治療 胸骨を切らないため、早期退院と早期社会復帰が目指せる。 経皮的冠動脈形成術(PCI)の注意点 経皮的冠動脈形成術(PCI)が考案されるまでは、虚血性心疾患に対する血行再建術はCABG(バイパス手術)が唯一の治療法でした。現在は、薬剤、デバイスの進歩、治療技術の確立により国内において25万件のPCIが行われるまで普及しました。しかしながら、無症候性を含めた安定狭心症症例の予後改善効果には否定的な報告も散見されています。 近年報告されたISCHEMIA試験(Figure 1)において、中等度以上の虚血を認めた病変に対し経皮的冠動脈形成術(PCI)またはCABG(バイパス手術)で治療をしても、薬物療法と比べ予後改善効果がない事が示されました。この試験では、左主幹部および前下行枝近位部の病変を除いているため、慎重な解釈が必要ですが、虚血が証明された病変に治療を行なっても予後の改善を示せなかったという結果は、PCIに携わる循環器医にとって衝撃的なものでした。 もちろん、心機能低下している患者さんに対しては、血行再建治療が有効であった事も示されていますので、中枢側病変、心機能低下をきたしている患者さんには従来通りの治療が必要になります。また、薬物療法を選択した20%の患者において、血行再建が必要であったという結果が出ていますので、病変の進行により血行再建が必要となる可能性が一定の割合である事を踏まえ慎重に外来で症状をフォローする必要があります。このISCHEMIA試験より、画一的に治療を行うべきではなく、一人一人の患者の状況に合わせた方針を決める事の重要性を示しています。 --> 国立循環器病研究センターのPCI治療の特徴 国立循環器病研究センターは心臓血管系と脳血管系の治療を行う世界でも画期的な最先端の大規模医療・研究施設です。--> 国立循環器病研究センターは心臓血管系と脳血管系の治療を行う世界でも有数の大規模医療・研究施設です。すべての治療方法の中から患者さん各々に適切な治療をご提案しています。 国立循環器病研究センターが目指すPCI治療とは カテーテルデバイスの進化により、多くの患者さんにとってPCI治療が可能となりました。 しかし、遠隔期の治療成績や抗血小板薬の服用に伴う出血性合併症にも留意が必要です。 患者さん一人ひとりの背景や冠動脈の状態に応じて、PCIだけでなく薬物療法やバイパス術などの治療法を考慮し、治療方針を決定することが重要です。当院では、心臓外科チームと毎週ハートチームカンファレンスを開催し、PCIでは長期的な成績が期待できない症例についてバイパス手術の検討を行っています。 今後は、PCIの質が問われる時代であり、手術直後の成績だけでなく、10年や20年後を見据えた医療を提供できるよう尽力しています。 PCI治療:年間700-800件の豊富な実績 当院では年間700~800件のPCI(経皮的冠動脈形成術)を行っており、治療件数は年々増加しております。特に急性心筋伷塞の患者さんは増加しており、複雑かつ難しい病変をもつ患者さんが増えています。治療の安全性を保ちつつ、患者さんの負担が少ない低侵襲なPCIを行います。 複雑なPCI治療ができるカテーテル治療専門医が多数在籍 当院には、カテーテル室が8部屋あり、PCI治療を独立して行うことができる術者が10人以上在籍し、CVIT(日本心血管インターベンション)専門医も6人在籍しています。 これにより、緊急治療でも並列(必要に応じて3列)治療が可能です。複雑なデバルキングデバイス(ロータブレーター、ダイヤモンドバック、エキシマレーザー、ショックウェーブ)が使用可能です。 治療が難しい慢性完全閉塞病変(CTO)や重症三枝病変、透析患者へのPCI治療は、実施者の積み重ねた経験が求められます。 CVIT専門医6人を中心とした週2回のカンファレンスに加え、週1回の心臓外科医とのハートチームカンファレンスを実施し、PCI治療、バイパス手術、薬物療法から最適な治療を提供します。 エビデンス、ガイドラインに基づいた治療方針 冠血流予備量比(FFR)は、実際に血流がどれだけ阻害されているかを客観的に評価できるため、中等度狭窄病変に対しFFRを使用して、狭窄箇所を評価し、治療の必要性を判断しています。また、複数の狭窄箇所がある場合、治療の優先順位を決定することも可能です。カンファレンスでは、ガイドラインにとどまらず、患者さんの個々の状態に合わせてじっくりと検討した上で、最適な治療を提供しています。冠疾患科・集中治療グループは、毎年30本以上(2022年は43本)の英文論文を報告し、日本だけでなく世界に向けて最新の治療方法を提案し続けています。また、カテーテル治療だけでなく、薬物療法やリハビリ治療を含む患者さんのトータルマネージメントにも力を入れています。 --> 心臓外科との連携による冠動脈バイパス手術(CABG) 当院は多くの経験豊富な心臓外科医が在籍しており、また緊急でも迅速に手術が可能であるという恵まれた環境です。そのため、手術侵襲度としては大きくなりますが、遠隔期の成績が良好だと予想される場合には、CABGをお勧めしています。 実際に治療を行った患者さんの声 60代男性息切れ、体重増加で紹介受診 低心機能、2枝慢性完全閉塞性病変 治療前 体重が徐々に増加し少し動くだけでも息苦しくなり動けなくなりました。心臓壁運動も普通の方と比較して2割しか動いていない状態でした。 治療後 体重も20kg以上減り、走っても症状はなくなりました。心臓壁運動も正常化しています。 2枝の完全閉塞病変に対し2回にわけてPCI治療を行い、完全血行再建に成功しています。 70代男性労作時の胸痛で紹介 2枝高度石灰化病変 治療前 階段をのぼったり、走ったりすると胸が圧迫されるような症状がありました。徐々に悪化していましたが、休むと症状がなくなるため様子をみていました。 2枝の高度石灰化を伴う狭窄病変 左冠動脈に対するロータブレーターを使用したPCI 左冠動脈に対するロータブレーターを使用したPCI 治療後 一度目の治療で胸がすっきりとして、動いても苦しくなくなりました。2度目の治療でさらに楽になりました。 2枝の完全閉塞病変に対し2回にわけてPCI治療を行い、完全血行再建に成功しています。 50代男性 夜間の胸痛で紹介 前下行枝近位部の高度狭窄 治療前 最近疲れやすくて、寝ている時に胸が痛くて目がさめてびっくりしました。繰り返し症状がでるのでおかしいと思い受診しました。 前下行枝近位部の高度狭窄病変に対しDCA(方向性冠動脈プラーク切除術)を用いて治療 治療後 治療してからは一度も症状は出現していません。 DCA(方向性冠動脈プラーク切除術)とは? 方向性冠動脈アテレクトミー(DCA)は、ステントなどを用いることなく、動脈硬化巣を直接切除することにより、血管内腔を確保することができるカテーテル手術法です。再狭窄率もステント治療と比較して遜色ないことが近年報告されるようになり、当院においてもDCA治療が可能な病変に対しては積極的に治療を行っております。 DCAカテーテルはプラークを切除するDCAカッター、切除したプラークを収納するハウジング、DCAカッターを動かす電池とモーターがあるモータードライブユニットから構成され、ガイドワイヤーを通じて病変に到達させます(A)。もともと使用可能であったカテーテルですが、冠動脈ステント留置に合併するステント内再狭窄が著しく減少した薬物溶出性ステント登場により、一度姿を消しましたが、2017年夏より当院を含めた本邦で使用可能となりました。治療適応のポイントは、(1)冠動脈プラークが柔らかいプラークであること、(2)大きな側枝を持つ冠動脈近位部病変であること、です。DCAカテーテルにより本管のプラーク切除により、十分な内腔が確保できれば冠動脈ステント留置も不要となります(図B-D)。従ってより長期にフォローが必要な若年者、柔らかいプラークを持つ左前下行枝の入口部病変は特に良い適応となります。また冠動脈ステント留置が必要であっても、側枝閉塞を防ぎつつ、ステント留置後に本管および側枝における十分な血管内腔が確保可能となります(図E-F)。 近年、国内の16施設より冠動脈の分岐部病変をDCAと薬剤溶出性バルーン(DCB)を用いてステントなしで治療された129人において、DCAでのデバルキング後の治療について、12ヶ月後の再治療が必要な患者さんは3.1%と良好な成績であったことが報告されました*。そのため、DCAを用いたPCIは左主幹部から前下行枝近位部における重要な治療戦略として位置付けられます。 Kitani S, et al. Catheter Cardiovasc Interv.2021; 97: E614-E623 70代男性心不全の原因検索で発見 右冠動脈高度石灰化病変(ダイヤモンドバック使用) 治療前 高度石灰化を伴う右冠動脈高度狭窄病変 高度石灰化を伴う右冠動脈高度狭窄病変 楕円状に回転して削り取るため、血管の中央を通過する必要があります。図01のように中央を通過していない場合には、バルーンで通過する位置を変更する必要があります。 治療後 治療が難しい右冠動脈の高度石灰化病変(石灰化結節)に対しダイヤモンドバック、薬剤溶出性バルーンを用いてステントを使用することなくPCI治療に成功治療後は症状もなくなり、心不全入院はしていません。 40代男性急性心筋梗塞で救急搬送 右冠動脈に対するエキシマレーザーを使用したPCI レーザー前 レーザー後 バルーン拡張後 1週間後 株式会社フィリップス・ジャパン提供 40代男性急性心筋梗塞で救急搬送 右冠動脈に対しエキシマレーザーを使用しステント使用せずに終了したPCI 治療前 治療後 --> 治療後の生活を支えるリハビリ 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)に伴う心不全で長期間入院すると心臓の機能低下に加えてしばらく安静を強いられるため、体力が低下します(身体的要因)。さらに心不全を突然発症したことで、今後活動や運動をどの程度までしていいのかわからない、という強い不安感が生じます(心理的要因)。また、心不全を一度発症した患者は、同じ病気を再度発症する危険性が高いため、再発予防への取り組みが非常に重要となります。 心臓リハビリテーション(心リハ)は、心不全発症により低下した体力を運動療法で回復させて自信を取り戻し、心不全が再発しないよう予防法を学び実践していくためのプログラムです。入院中のリハビリだけでなく、体力に自信がない方、リハビリを希望される方は5ヶ月間の外来での治療プログラムも受けられます。 安心のハートチーム あらゆる分野の循環器のスペシャリストがチームとして患者さんを支えます。 治療の流れ(受診案内) 経皮的冠動脈形成術(PCI)をご希望の方はお気軽にご相談ください。 当院のPCI外来、または冠疾患科・集中治療部の初診外来を受診ください。 狭心症、心筋伷塞後の患者さんに正確な診断と適切な治療を提供しています。 各外来では、情報はチームで共有されカンファレンスで治療方針を決定し、必要に応じてPCI治療、バイパス治療を行わせていただきます。 受診を希望される患者さんへ 当院は、循環器の専門病院です。循環器疾患における急性期医療を必要とされる方を診察する基幹病院でありたいと願っております。そのため、初めて診察を受けられる方は「かかりつけ医」の診察を受け、相談のうえ「紹介状(診療情報提供書)」をお持ちいただくようお願いします。 受診方法の詳細はこちら 患者さんのご紹介について 平日、月曜日から金曜日まで毎日対応させていただきます。対象となる患者さんがおられましたら、ぜひご紹介ください。 患者さんをご紹介いただく際には、「診療予約依頼書 兼 診療情報提供書」 に必要事項をご記入の上、専門医療連携室(06-6170-1348)へFAXでご送信ください。 「弁膜症クリニック 診療希望」とご記入いただきますようお願い申し上げます。 ※月曜日から金曜日まで、すべての曜日で対応しています。 曜日に関しましては、可能な限りご希望に沿わせていただきますので、ご遠慮なくお申しつけください。 医師紹介 副院長部長(冠疾患担当)(併任)血管ゲノム医療部長(併任) 野口 輝夫 当院のカテーテル治療の特徴は、1人の医師で判断せずに、チームカンファレンスにて適用や治療手段を議論し実施している点です。さらに、ロータブレータ/レーザーを含めたすべての血管内治療が選択できます。そして、心臓外科医が24時間体制で必要時にバックアップしてもらえるということです。私たちが大事にしていることは、治療を受けられる方の病気への不安や今後の生活への希望を治療前に十分にお聞きして、ご本人とご家族に最適な治療法を提案することです。 冠疾患科ホームページ 心臓外科部長 福嶌 五月 冠動脈硬化症は、元気に生活されている方が突然胸痛に襲われ、死に至ることもある恐ろしい病気です。一方、大きな心筋伷塞を発症する前に適切な治療を受けていただくことで、普通の生活を続けていただくことが可能な病気です。当院では、カテーテル治療を含めた内科治療を優先し、内科治療だけでは十分でない重症な患者さんに対しては外科手術を行います。外科手術を受けるほど重症な患者さんでも、術後20年以上元気にされている方がたくさんおられます。胸痛や息切れなど、心臓が気になる方は我慢せずに急いで受診してください。 よくある質問 PCI治療は何日かかるのでしょうか? 緊急治療か待機的治療によっても変わりますが、当院では待機的治療であれば通常3泊4日で治療を行います。 緊急治療が必要な患者さんの場合は、心筋梗塞の重症度、患者さん自身のフレイル(体力)によって変わりますが、2週間から1ヶ月の入院が必要になります。 国立循環器病研究センターのPCI入院(原則3泊4日) 入院(治療前日) 医師による診察 病歴の確認 アプローチ部位の確認 内服薬の確認 採血検査 腎機能が悪い場合は点滴 治療準備(剃毛) 治療当日(PCI) 点滴 食事制限 PCI治療 アクセス部位の圧迫止血 モニター管理 治療翌日 診察:穿刺部の止血確認 食事開始 医師からの説明(担当によってタイミングが異なりますので、入院時に確認してください) 治療翌々日 退院 退院薬剤の説明・確認 次回外来の確認 合併症がある場合 より複雑な症例や合併症がある場合、入院期間は延長されることがあります。これは患者さんの状態に応じて異なりますが、数週間にわたることもあります。 入院期間は、手術の複雑性、患者さんの一般的な健康状態、合併症のリスクなどに影響されます。PCI後には、医師等による患者さんの回復状況が確認され、適切な退院時期が決定されます。当院では出来る限り入院期間を短くできるように、入院中に医師と看護スタッフから適切なアフターケアや薬物療法に関する指導を心掛けています。 カテーテル治療(PCI)を受けるように言われましたが、本当に治療が必要でしょうか?客観的な指標はありますか? 心筋血流予備量比(FFR)は、冠動脈造影の後に先端に圧センサーがついたガイドワイヤーで、冠動脈内圧を測定し、狭窄部位の遠位部と近位部の圧を比で算出することで血流量が狭窄部位でどのくらい低下しているか評価することのできる検査があります。 FFRについて PCI治療を受けたくありません。薬物療法だけではだめでしょうか? 経皮的冠動脈形成術(PCI)が考案されるまでは、虚血性心疾患に対する血行再建術はCABG(バイパス手術)が唯一の治療法でした。 現在は、薬剤、デバイスの進歩、治療技術の確立により国内において25万件のPCIが行われるまで普及しました。 近年、薬物治療が進歩してきていることもあり、特に安定冠動脈疾患ではすぐにPCIやCABGを行わなくても(しばらく薬物治療で経過を見ていても)、予後に大きな差は見られないことが示されています(ISCHEMIA試験)。 しかしながら、この研究では、左主幹部病変や症状のひどい患者さんは除かれているため、そのような重症な患者さんは、PCI治療、バイパス治療が必要になります。 また、心不全を合併している、また心機能が低下している患者さん、長期フォローを行うとよりPCIの治療効果があることもわかっているため、薬物療法では不十分でPCI治療が必要となる場合もあります。 我々は、カンファレンスで一人一人の患者さんの状態を十分に検討し、最適な治療を提供します。 国立循環器病研究センターに求められるPCIとは? 薬物療法の重要性と不必要なPCIの弊害 冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)が考案されるまでは、虚血性心疾患に対する血行再建術はバイパス手術が唯一の治療法でした。1977年に初めてバルーン血管形成術が行われ、半世紀が経過しましたが、薬剤、デバイスの進歩、治療技術の確立により本邦において25万件のPCIが行われるまで普及しました。しかしながら,無症候性を含めた安定狭心症症例の予後改善効果には否定的な報告が散見され、薬剤溶出性ステントが主流となった現在においても議論が続いています。そこで、PCIの有効性について問題提起した重要な2つの研究をご紹介します。 2000年に行われたCOURAGE試験は、薬物療法と比較してPCIにおける血行再建の有効性が疑問視されるきっかけとなった研究です。冠動脈狭窄を認めている安定狭心症の患者を対象にしており、PCIを行っても薬物治療群と比較して全死亡と非致死性心筋梗塞発症率を改善する事ができませんでした。その後、PCIの適応について多くの議論がありましたが、明確な指針は示されず、各施設に委ねられる時代が続きました。 一方で、FFR (functional flow reserve)を用いて虚血が証明された病変のみに治療を行ったDEFER、FAME試験において、虚血の証明なくPCIを施行すると、周術期合併症が増えるだけでなく、予後改善もできない事が報告されました。言い換えると、冠動脈造影で75%以上の狭窄を認めていても虚血が証明されなければ、薬物療法のみで十分である事が示されたという事です。その結果を受けて、2019年より診療報酬算定要件に虚血証明を行う事がPCI治療において必須となりました。 また、近年報告されたISCHEMIA試験 (Figure 1)において、中等度以上の虚血を認めた病変に対しPCIまたはCABGで治療をしても、薬物療法と比べ予後改善効果がない事が示されました。この試験では、左主幹部および前下行枝近位部の病変を除いているため、慎重な解釈が必要ですが、虚血が証明された病変に治療を行なっても予後の改善を示せなかったという結果は、PCIに携わる循環器医にとって衝撃的なものでした。もちろん、サブグループ解析にいて、心機能低下している患者に対しては、血行再建治療が有効であった事も示されていますので、中枢側病変、心機能低下をきたしている患者さんには従来通りの治療が必要になります。また、薬物療法を選択した20%の患者において、血行再建が必要であったという事を加味すると、病変の進行により血行再建が必要となる可能性が一定の割合である事を踏まえ慎重に外来で症状をフォローする必要があります。このISCHEMIA試験は、画一的に治療を行うべきではなく、一人一人の患者の状況に合わせた方針を決める事の重要性を示してくれています。 Figure1: 主要エンドポイント CV死, MI, 心停止, 不安定狭心症または心不全による入院 N Engl J Med. 2020 Apr 9;382(15):1395-1407. バイパス術とPCIについて PCIは、ステント技術の進化、新規抗血小板薬の普及、標準化された手技と治療戦略の確立により格段の進歩を遂げました。現在では、従来であれば禁忌とされていた左主幹部病変や一部の3枝病変を有する患者においても、バイパス術と比較して遜色ない治療成績を得ることができるようになりました(Figure 2)。当院では、Rota atherectomy、Orbital atherectomy、Excimer laserといったデバイスを使う事で、従来では治療困難であった石灰化病変に対しても安全に治療が可能になりました。しかしながら、日本人は海外と比較すると出血しやすく、高齢化に伴いPCI患者の半分以上は出血リスクが非常に高いグループに属すると報告されています。その中でも、透析を含む重症腎不全を合併している方や、高度石灰化病変、複雑分岐部病変を有する方は、治療が複雑化するだけでなく、出血により抗血小板薬の長期服用が難しくなるケースがあります。 Figure2: 主要エンドポイント 全死亡, 脳梗塞、心筋梗塞 N Engl J Med. 2016 Dec 8;375(23):2223-2235. 抗血小板薬が服用できないと治療成績が有意に悪化する事が報告されています。そのため、薬物療法でも効果がある事をふまえると、出血ハイリスクの方に対しての治療は、十分に薬物療法を行った上で効果が乏しい時に限り治療を選択する必要があります。 一方で、当院は国内有数の手術が上手い心臓外科医が在籍しており、また緊急でも迅速に手術が可能であるという環境です。そのため、手術侵襲度としては大きくなりますが、長期成績が明らかに良いと予想される場合には、CABGをお勧めする事があります。 当院の目指すPCIとは? デバイスの進化により、ほとんどの患者さんに対しPCIで対応する事ができる時代となりました。しかしながら、長期治療成績や抗血小板薬に伴う出血性合併症についても留意する必要があります。そのため、PCIだけでなく薬物療法とバイパス術といった治療法を常に念頭におく必要があります。患者さん一人ひとりに対し患者背景、冠動脈の状態に合わせて治療方針を決める事が重要です。当院では、心臓外科と定期的にハートチームカンファレンスを行っており難しい治療については方針を決定しています。これからは、PCIの質が問われる時代であり、周術期治療だけでなく、10年20年後を見据えた医療を提供できるよう心がけています。 --> カテーテル治療(PCI)かバイパス術か迷っています。どちらが良いでしょうか? 狭心症、無症候性心筋虚血といった安定冠動脈疾患に対してPCIとバイパス術のどちらを行うのが良いのか?については様々な要因が関わってきます。 これまでの研究では、1)冠動脈の病変が1枝病変か多枝病変か、2)複雑な冠動脈病変かどうか、3)糖尿病があるかどうか、4)左主幹部の病変を含むかどうか、といったことによりPCIとCABGの治療成績が異なること報告されています。 このような蓄積されたデータに基づき、日本循環器学会と日本心臓外科学会から冠動脈疾患患者に対する血行再建の指針となる合同ガイドラインが出されています(表1)。 上記のガイドラインは血行再建の方法を考える上での基本となりますが、それぞれの患者さんの治療にあたっては、臨床背景、PCIおよびCABGの合併症リスク、認知機能や身体活動度、各施設の成績や体制、患者さんの意向などを全て考慮し、治療方針を決定していくことが重要です。このような治療方針の決定は一人の医師がするのではなく、心臓内科医、心臓外科医を含むハートチームで協議して行うことで多面的な角度から患者さんの病態を見極め、最適な治療法を検討することが可能になります。 当院では、血行再建が検討される症例についてはハートチームがカンファレンスで協議して治療方針を決定しており、患者さんに最善な治療法を提案できるよう取り組んでいます。 詳細はこちら 冠動脈疾患に対する冠動脈バイパス術とカテーテル治療の選択 国立循環器病研究センターでは低侵襲アプローチについてどのように取り組んでいますか? 詳しくはこちらをご覧ください。 当院ではできるだけ患者さんの負担の少ない低侵襲なPCIを目指しています。 PCIの合併症の約半数は、穿刺部(針を刺した部位)に関連したもので、穿刺部の出血(血腫)、仮性動脈瘤(穿刺した血管の穴が閉じずに瘤状の血溜まりを作ること)、動静脈瘻(穿刺した動脈と伴走する静脈とが交通すること)、動脈閉塞などがあります。したがって、カテーテル(治療で使用する管)を挿入するのに、どの血管を選択するか(アプローチ)が重要になります。通常、PCIでカテーテルを挿入する動脈には、大腿動脈, 撓骨動脈, 遠位橈骨動脈, 上腕動脈などの選択肢があります。 従来、PCIでは主に大腿動脈アプローチ(鼠径部の血管を穿刺してカテーテルを挿入する)が行われてきました。大腿動脈は体表から比較的容易に穿刺できる太い動脈であるため、冠動脈の治療に用いる太いカテーテルを無理なく挿入できる利点があります。一方で、治療後の止血のために術後数時間はベッド上で安静を保って圧迫止血する必要があるなど、患者さんにとっては負担の大きいものとなります。安静が保てないと術後の止血が不十分になり、前述の穿刺部出血や仮性動脈瘤などの穿刺部合併症を起こすリスクが高まります。大腿動脈穿刺で止血が得られなかった場合、体表への出血ではなく後腹膜(骨盤内)へ内出血が広がる場合があり、出血量が多くても体表からの観察では出血の存在がわかりにくく、重篤な状態となることがあります。 橈骨動脈(手首の血管[図1左])アプローチでのPCIが1993年に報告されて以後、その安全性・優位性が証明され、現在の標準的なアプローチ方法となっています。橈骨動脈アプローチでは、術後は手首に止血バンドを装着することで止血ができ、穿刺部の合併症の頻度は大腿動脈アプローチより少ないとされています。大腿動脈アプローチと違って術後に鼠径部の圧迫止血のために長時間のベッド上安静を強いられることがないので、患者さんは術直後から楽に過ごすことができます。 さらに当院では2019年から、遠位橈骨動脈アプローチでのより低侵襲なPCIを行っています。橈骨動脈を従来の手首ではなくより末梢の手背(手の甲)の親指の付け根あたりで穿刺[図1右]するため、術後に手首の安静の必要もなく患者さんの負担がより少ないうえ、橈骨動脈アプローチと比べても穿刺部の合併症がさらに少ないのが特徴です。末梢の細い血管であるため挿入できるカテーテルの太さに制限がありますが、より細いカテーテルを使用して治療できるよう工夫するなどして、可能な症例では遠位橈骨動脈アプローチでの低侵襲なPCIを行っています。当院では2019年に遠位橈骨動脈アプローチでのPCIを開始し、2020年に実施したPCIの10%、2021年に実施したPCIの15%で遠位橈骨動脈の穿刺を行っており、増加傾向にあります。(対して大腿動脈穿刺は2019, 2020, 2021年でそれぞれ19%, 17%, 15%と減少傾向です)[図2] 現在でも、複雑な治療のためにより太いカテーテルの挿入が必要な場合や、上肢の透析シャント作成後の場合、冠動脈バイパス術で橈骨動脈を過去に採取されている場合、上肢の血管に狭窄や閉塞がある場合など、治療内容や患者さんの状態によってはどうしても遠位橈骨動脈以外の動脈からのアプローチを選択せざるを得ない場合がありますが、当院ではできる限り患者さんの負担の少ない、より低侵襲なPCIを目指して日々努力しています。 低侵襲PCI(経皮的冠動脈インターベンション)について 低侵襲PCI(経皮的冠動脈インターベンション)について 当院では年間650~750件のPCI(経皮的冠動脈インターベンション)を行っていますが、できるだけ患者さんの負担の少ない低侵襲なPCIを目指しています。 PCIの合併症の約半数は、穿刺部(針を刺した部位)に関連したもので、穿刺部の出血(血腫)、仮性動脈瘤(穿刺した血管の穴が閉じずに瘤状の血溜まりを作ること)、動静脈瘻(穿刺した動脈と伴走する静脈とが交通すること)、動脈閉塞などがあります。したがって、カテーテル(治療で使用する管)を挿入するのに、どの血管を選択するか(アプローチ)が重要になります。通常、PCIでカテーテルを挿入する動脈には、大腿動脈, 撓骨動脈, 遠位橈骨動脈, 上腕動脈などの選択肢があります。 従来、PCIでは主に大腿動脈アプローチ(鼠径部の血管を穿刺してカテーテルを挿入する)が行われてきました。大腿動脈は体表から比較的容易に穿刺できる太い動脈であるため、冠動脈の治療に用いる太いカテーテルを無理なく挿入できる利点があります。一方で、治療後の止血のために術後数時間はベッド上で安静を保って圧迫止血する必要があるなど、患者さんにとっては負担の大きいものとなります。安静が保てないと術後の止血が不十分になり、前述の穿刺部出血や仮性動脈瘤などの穿刺部合併症を起こすリスクが高まります。大腿動脈穿刺で止血が得られなかった場合、体表への出血ではなく後腹膜(骨盤内)へ内出血が広がる場合があり、出血量が多くても体表からの観察では出血の存在がわかりにくく、重篤な状態となることがあります。 橈骨動脈(手首の血管[図1左])アプローチでのPCIが1993年に報告されて以後、その安全性・優位性が証明され、現在の標準的なアプローチ方法となっています。橈骨動脈アプローチでは、術後は手首に止血バンドを装着することで止血ができ、穿刺部の合併症の頻度は大腿動脈アプローチより少ないとされています。大腿動脈アプローチと違って術後に鼠径部の圧迫止血のために長時間のベッド上安静を強いられることがないので、患者さんは術直後から楽に過ごすことができます。 さらに当院では2019年から、遠位橈骨動脈アプローチでのより低侵襲なPCIを行っています。橈骨動脈を従来の手首ではなくより末梢の手背(手の甲)の親指の付け根あたりで穿刺[図1右]するため、術後に手首の安静の必要もなく患者さんの負担がより少ないうえ、橈骨動脈アプローチと比べても穿刺部の合併症がさらに少ないのが特徴です。末梢の細い血管であるため挿入できるカテーテルの太さに制限がありますが、より細いカテーテルを使用して治療できるよう工夫するなどして、可能な症例では遠位橈骨動脈アプローチでの低侵襲なPCIを行っています。当院では2019年に遠位橈骨動脈アプローチでのPCIを開始し、2020年に実施したPCIの10%、2021年に実施したPCIの15%で遠位橈骨動脈の穿刺を行っており、増加傾向にあります。(対して大腿動脈穿刺は2019, 2020, 2021年でそれぞれ19%, 17%, 15%と減少傾向です)[図2] 現在でも、複雑な治療のためにより太いカテーテルの挿入が必要な場合や、上肢の透析シャント作成後の場合、冠動脈バイパス術で橈骨動脈を過去に採取されている場合、上肢の血管に狭窄や閉塞がある場合など、治療内容や患者さんの状態によってはどうしても遠位橈骨動脈以外の動脈からのアプローチを選択せざるを得ない場合がありますが、当院ではできる限り患者さんの負担の少ない、より低侵襲なPCIを目指して日々努力しています。 --> PCI治療後の薬物療法について教えてください。 抗血小板療法について 2020年3月、日本循環器学会より高出血リスク患者では(抗凝固薬服用がなければ)1~3ヶ月という短期DAPTとすることが推奨されました。非高出血リスク患者でも、血栓リスクが低ければ1~3ヶ月、血栓リスクが高い場合は3~12ヶ月DAPTが推奨されています。抗凝固薬服用患者では、抗凝固薬にDAPTを加えた3剤併用療法は周術期のみ(2週間以内)とし、PCI後1年までは抗凝固薬にP2Y12受容体拮抗薬を加えた2剤併用療法を行い、1年以降は抗血小板薬を中止して抗凝固薬単独とする推奨がされています。 詳しくはこちらをご覧ください。 脂質管理について 冠動脈疾患の二次予防における脂質管理目標値として、ハイリスク患者(急性冠症候群・家族性高コレステロール血症・複数の危険因子を有する糖尿病患者など)では LDL-C<70mg/dLとすることが推奨されています。さらに2019年のヨーロッパ心臓病学会ガイドラインでは、冠動脈疾患患者は 「超ハイリスク患者」と位置付けられ、その二次予防目標値はLDL-C<55mg/dL とすることが提唱されています。スタチンやエゼチミブに加えPCSK9阻害薬も利用可能となり、これらの薬剤を活用した予後改善のための至適薬物治療の重要性が強調されてきています。 詳しくはこちらをご覧ください。 最新のガイドラインに基づく至適薬物治療の実践のために PCI後の抗血栓療法はどうしたらよいか? 詳しくはこちらをご覧ください。 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈インターべンション(PCI)では、薬剤溶出性ステント(DES)が広く用いられています。第一世代 DESの登場後、遅発性ステント血栓症が大きな問題となりましたが、現在用いられている第二世代以降のDESでは、デバイスの改良に伴いステント血栓症は大幅に減少しました。これにより、DES留置後の2剤の抗血小板療法(DAPT)の期間短縮が可能となりました。一方、PCI後の出血イべントが死亡率の上昇と関連することが報告され、出血イベントの回避を目指したDAPT期間短縮化の流れが進んでいます。 2020年3月、日本循環器学会より「フォーカスアップデート版・冠動脈疾患患者における抗血栓療法のガイドライン」が発行されました。この中で、日本人の特性を考慮した日本版高出血リスク(high bleeding risk [HBR])基準が提唱され、HBR患者では(抗凝固薬服用がなければ)1~3ヶ月という短期DAPTとすることが推奨されました。非HBR患者でも、血栓リスクが低ければ1~3ヶ月、血栓リスクが高い場合は3~12ヶ月DAPTが推奨され、出血リスクを評価した上での短期DAPTの指針が明確に打ち出されました。なお、短期DAPT後の1剤の抗血小板療法では、P2Y12受容体拮抗薬を残す選択肢についても言及されています。抗凝固薬服用患者では、抗凝固薬にDAPTを加えた3剤併用療法は周術期のみ(2週間以内)とし、PCI後1年までは抗凝固薬にP2Y12受容体拮抗薬を加えた2剤併用療法を行い、1年以降は抗血小板薬を中止して抗凝固薬単独とする推奨が、近年の様々なエビデンスに基づく形で出されました。 LDLコレステロールをどこまで下げるべきか? 詳しくはこちらをご覧ください。 冠動脈疾患の一次予防・二次予防において、脂質低下療法は極めて重要な位置づけにあります。2017年の日本動脈硬化学会ガイドラインでは、冠動脈疾患の二次予防における脂質管理目標値として、ハイリスク患者(急性冠症候群・家族性高コレステロール血症・複数の危険因子を有する糖尿病患者など)では LDL-C<70mg/dLとすることが推奨されています。 さらに2019年のヨーロッパ心臓病学会ガイドラインでは、冠動脈疾患患者は 「超ハイリスク患者」と位置付けられ、その二次予防目標値はLDL-C<55mg/dL とすることが提唱されています。一次予防目標値に関しても、超ハイリスク患者ではLDL-C<55mg/dL、ハイリスク患者ではLDL-C<70mg/dLとされるなど、積極的な脂質低下療法を推奨する流れが明確になってきています。スタチンやエゼチミブに加えPCSK9阻害薬も利用可能となり、これらの薬剤を 活用した予後改善のための至適薬物治療の重要性が強調されてきています。 --> カテーテル治療(PCI)にはどんな合併症がありますか? PCI施行中、施行後の合併症に関しては、心筋梗塞そのものによる合併症と、PCIの手技による合併症の2つに分けられます。安定した状態でのPCIに関連する合併症の発生率は低いですが、ひとたび生じると重篤なものがあり注意が必要です。冠動脈の形態によっては、PCI治療の合併症リスクが非常に高くなる場合もあります。 アクセス血管合併症:1.3mmから2.4mmのシースを血管に挿入します。そのため、穿刺部の血管が傷つくこともあります。緊急治療、高齢女性、低体重の患者さんはリスクが高いことが知られており、この血管損傷を修復するために時として緊急手術を要することもあります。 脳梗塞:血管の中にカテーテルを入れる事により、動脈硬化が強い血管の場合、プラークが頭の血管を詰まらせる場合には脳梗塞になります。頻度は少ないですが、一定の確率で生じます。特に緊急治療、高齢、脳梗塞既往がある方、血管性状が悪い方に多く発症します。このような合併症を防ぐために、治療中は血液をサラサラにして固まりにくくする注射薬を点滴にて投与しますが、これが出血トラブルが増える原因にもなります。 下肢塞栓症、主要腹部臓器塞栓症:動脈硬化が強い血管は柔らかい不安定な動脈硬化の塊が存在する場合があります。血管にカテーテルが通ることにより、この動脈硬化の塊が砕け、血流によって全身に散布され、様々な臓器に行く血流低下させ、臓器を壊死してしまう場合があります。障害が起きた臓器に対する治療を含め全身的な管理が必要になります。 PCI合併症(%) ■ 2022年度一年間(773例:待機的427例、緊急346例) 院内死亡 1 0.13 心筋梗塞 13 1.68 脳梗塞 2 0.26 冠動脈穿孔 1 0.13 心タンポナーデ 0 0 緊急バイパス手術 0 0 ステント内血栓症 1 0.13 輸血(出血による) 3 0.39 ワイヤー穿孔、冠動脈破裂:カテーテル治療で、ワイヤー挿入時や、バルーン治療時、そしてステントを留置する際に、冠動脈や心筋が傷つき出血することがあります。出血がひどい場合には、心タンポナーデとなり出血して心嚢腔に漏れ出た血液を体外に出すための処置が必要になる可能性があります。石灰化病変や慢性閉塞性病変(CTO)はリスクが高くなります。 治療中のステント血栓症:抗血小板薬が服用できていない場合、血栓量が多い場合、または血液がサラサラになりにくい状態になっているとステント治療を行った後に治療中に急性閉塞する可能性があります。頻度は少ないですが、心臓へのダメージが大きいため、迅速な対応が必要になります。 治療中のslow flow/no-reflow現象:石灰化病変や不安定病変に対して治療を行うと、血栓や石灰化に含まれていた成分により冠動脈の血流が悪くなり、最悪の場合血管の先まで流れなくなることがあります。血管を広げる薬や心臓をサポートする器械を使用して対応する必要があります。 急性心筋梗塞は、急激に状態が悪化しショック状態や心肺停止に至ることもあります(院内死亡率は5-10%と報告されています 1,2)。1.Shiba N, Watanabe J, Shinozaki T, et al. CHART Investigators. Analysis of chronic heart failure registry in the Tohoku district: third year follow-up. Circ J 2004; 68: 427-434. 2.Shiba N, Nochioka K, Miura M, et al. CHART-2 Investigators. Trend of westernization of etiology and clinical characteristics of heart failure patients in Japan--first report from the CHART-2 study. Circ J 2011; 75: 823-833.カテーテル治療とは関係なく、致死性不整脈、心破裂、乳頭筋断裂、急性僧帽弁逸脱症、心不全、左室内血栓症、脳梗塞を合併することがあります。 石灰化病変に対するアプローチはどんなものがありますか? 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)技術の進歩は目覚ましいものがありますが、冠動脈石灰化は短期的にも長期的にも成績に大きな影響を及ぼすとされています。重度の冠動脈石灰化が存在すると、死亡、心筋梗塞、標的血管再血行再建、ステント血栓症などのイベントの発生率が高くなります。冠動脈石灰化は、血管造影では38%、血管内超音波(IVUS)を用いると73%の患者で検出されます。そういった患者さんには石灰化デバルキング(石灰化病変を除去すること)が必要になります。 現在使用できるデバイスには、ロータブレーター(Rotational atherectomy)、 Orbital atherectomy(ダイヤモンドバック)、ショックウェーブ/IVLシステム(Lithoplasty)がありますが、それぞれの特徴を活かして積極的に石灰化デバルキングデバイス治療を行っております。 ロータブレーター ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)提供 ダイヤモンドバック 大塚メディカルデバイス提供 ショックウェーブ Shockwave Medical Japan提供 薬剤溶出性バルーンについて教えてください。 薬剤コーティッドバルーン(drug-coated balloon; DCB)は、バルーン拡張により血管壁に再狭窄抑制のための薬剤を塗布するデバイスです。血管内に異物を残さない治療であるため、血管が本来有する生理的な機能が保持され、これが血管内腔の長期的な開存に寄与するのではないかと期待されています。また、非侵襲的検査法である冠動脈CTでのフォローが容易になり、さらに将来のバイパス吻合も可能となることから、金属ステントにはない長期的メリットを有する治療として注目されています。現代の薬剤溶出ステント(drug-eluting stent; DES)は非常に優れた臨床成績を示しているため、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の中心デバイスは依然としてステント(DES)ですが、一部の臨床試験においてDCBはDESと遜色ない治療成績を示しており、本邦でもPCIにおけるDCBの使用頻度は増加傾向にあります。 IVL(ショックウェーブ)の仕組みについて教えてください。 冠動脈の血管内破砕術(intravascular lithotripsy; IVL)は、一体型のバルーン内部で高速音圧波を発生させることで、血管内において石灰化を破砕させる新しい技術です。対象病変にバルーンを通過させた後、低圧でバルーンを拡張して病変部に圧着させます。パルスボタンを押すことにより1秒間に1パルス,1サイクルで10パルスの衝撃波が発生し、これにより石灰化を破砕することが可能です。その後、バルーンをさらに拡張し、病変部の拡がりを確認します。従来のアテレクトミーデバイスと比較し、比較的シンプルな手技で利用でき、また末梢塞栓のリスクが低いため、安全性に優れたデバイスと言えます。 費用はいくら位かかりますか? 当院での一例となりますが、一か所の病変拡張を行った場合は、医療費用は約1,000,000円前後となります。3割負担の場合300,000円、1割負担の場合は、100,000円程度が自己負担となります。高額療養費制度を事前に申請された場合、一般の方では90,000円前後の、高齢者一般の方では50,000円程度となります。 詳細に関してはお問い合わせください。 入院期間はどのくらいですか? 経皮的冠動脈形成術(PCI)の入院期間は比較的短いですが、患者さんの具体的な状態や合併症の有無によって異なります。一般的な入院期間は以下の通りです。 単純なPCIの場合 PCIが比較的単純で合併症が少ない場合、患者さんは通常、手術後に数日間の入院が必要です。通常、2~3日の入院期間が一般的です。 合併症がある場合 より複雑な症例や合併症がある場合、入院期間は延長されることがあります。これは患者さんの状態に応じて異なりますが、数週間にわたることもあります。 入院期間は、手術の複雑性、患者さんの一般的な健康状態、合併症のリスクなどに影響されます。PCI後には、患者さんの回復状況が確認され、適切な退院時期が決定されます。当院では出来る限り入院期間を短くできるように、入院中に医師と看護スタッフから適切なアフターケアや薬物療法に関する指導を心掛けています。 --> 治療による痛みはどれぐらいですか? 経皮的冠動脈形成術(PCI)自体は、手術中、患者さんは通常麻酔を受けているため、一般的に痛みが少ない手術となります。 PCI後、麻酔の効果が切れるまで数時間は、手術部位でわずかな不快感や圧迫感が感じられることがありますが、一般的には軽度の痛みであり、患者さんは通常、痛み止め薬を処方されます。ただし、一部の患者さんはPCIに伴う合併症やアレルギー反応を経験することがあり、その場合には痛みや不快感が増加することがあります。 年齢に関係なく経皮的冠動脈形成術(PCI)は受けられますか? 年齢に関係なく、経皮的冠動脈形成術(PCI)は一般的に受けられます。PCIは冠動脈の狭窄や閉塞を治療するための有効な方法であり、患者さんの年齢による制限は通常設けられません。 ただし、高齢の患者さんにおいては、他の健康問題や合併症のリスクが増加することがあるため、PCIの適応やリスク評価が重要となります。高齢者の場合、心臓病以外の健康問題や全身状態、薬物の耐容性などが考慮され、PCIの適切な候補となるかどうかが判断されます。高齢者の場合、特に心臓カテーテル検査(冠動脈造影)前に、医師と患者さんが綿密なカウンセリングや共有意思決定プロセスを行うことが一般的です。また、PCIの適応や実行可能性は個々の患者さんの状態に依存し、年齢だけでなく、心臓の病態、全身状態、合併症のリスク、健康状態などが総合的に評価します。 遠方なのですが、国循で治療は受けられますか? もちろん受けられます。また、遠方の患者さんの場合、初診外来から直接検査入院頂くことも可能です。(その場合は、連携室を通じて当日の入院希望を伝えていただけるとスムーズに進みます。) 国循にご興味がある医師の方へ 「臨床手技」「臨床研究」どちらにおいても充実した学びの場となることをお約束いたします。 国立循環器病研究センターは、国内最高峰の医療を提供し、かつ併設する研究所との連携もさかんに行われています。臨床手技を極めたい方にも臨床研究に注力したい方にも、充実した学びと経験の場を提供しています。 レジデント・専門修練医・専攻医研修プログラムについて 見学・研修をご希望の方はこちらまでご連絡ください。 [email protected] 医師の方は電話(06-6170-1069 内線31125)でも受け付けています。 国立研究開発法人国立循環器病研究センター 〒564-8565大阪府吹田市岸部新町6番1号 0570-012-545(ナビダイヤル&#9317;を押してください) 国立循環器病研究センターのホームページはこちら Copyright © National Cerebral and Cardiovascular Center All rights reserved. 心不全について? 心不全とは,心臓が悪いために,息切れやむ くみが起こり,だんだん悪くなり,生命を縮める病気です。 「日本循環器学会.急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_tsutsui_h.pdf (2018 年12 月閲覧)」より

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