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」と質問したら、さすがに詰まっていました。ランキングは完全なものではありません。彼らはビジネスとしてランキングを作っています。それは自由にやればよい。ただ日本の政治家やマスメディアはそれを無条件に信奉しないでほしいと思います。 苅谷 外貨を稼ぐ産業としての高等教育は英語圏の強みですね。先日、初めてオックスフォードがTHEで1 位になりました。いままで誰も何も言わなかったのに、今回は学長が全教員宛のメールに書いていましたよ(笑)。そういえば、日本政府が指定国立大学制度を進めていますね。ランキングを意識しているのかもしれませんが、英語圏でない日本が高等教育で外貨を稼ぐのは無理筋です。順位より日本の知がつくってきたコンテンツのほうが国際貢献できるはずです。 羽田 国際担当の理事・副学長としては、東大の外国人留学生は30%程度がよいと思っています。10%だと少なすぎますが、30%いれば一つのマスとして存在できる。30%だと大学ランキングでは上位にいけませんけどね(笑)。 苅谷 私のいるカレッジでは地域研究の研究者が多いんです。中東研究でも中国研究でもあえてイギリスで行うのは、イギリスの歴史的な背景があるから。日本にも特徴的な背景があります。日本でこそ学べる重要な見方があることを知れば、外国の研究者が集まります。「日本を研究する」でなくてもいい。「日本を通して○○を研究する」人を増やせばいいと思います。 ――最後に東大生や東大にメッセージをお願いします。 苅谷 東大に入ったということは宝の山に入り込んだということ。何か一つ人と違う強みを持つとその宝が生きてきます。そして、チャンスに恵まれた場にいるという自覚と責任を持つべきです。そうすると、いかに自分がそれを無駄遣いしているかがわかるでしょう。この宝の山をフルに活用してほしいと思います。 羽田 国際化が外国人と普通につきあえるようになることだとすると、教員の多くはすでにこれを実現しています。大学の執行部としては、教員同士の協力を束ねて大学同士の関係に高め、教育・研究を共同で進められるようにしたいです。交換留学、体験活動プログラム、サマープログラムなど、学生に国際的な体験をしてもらう様々な仕組みづくりを進めています。オックスフォード大学にもそのよきパートナーであってほしいと思っています。 苅谷 互いにとって意味のある連携相手でありたいですね。 (2016年12月19日、向ヶ丘ファカルティハウスにて)   Masashi Haneda 1953年生まれ。東京大学東洋文化研究所教授、同所長、東京大学副学長、国際本部長を経て、2016年より理事・副学長(国際担当)。専門分野は世界史。主な著書に『新しい世界史へ』(岩波書店)、『冒険商人シャルダン』(講談社)、『東インド会社とアジアの海』(講談社)、『イスラーム世界の創造』(東京大学出版会)など。趣味はテニス、歌舞伎鑑賞。   Takehiko Kariya 1955年生まれ。放送教育開発センター助教授、東京大学教育学研究科教授を経て、2008年よりオックスフォード大学社会学部・ニッサン日本研究所教授。専門は日本社会論、社会学。主な著書に『イギリスの大学・ニッポンの大学』(中公新書ラクレ)、『教育と平等』(中公新書)『教育の世紀』(ちくま学芸文庫)、『学力と階層』(朝日文庫)など。趣味はウォーキングとスイミング。   はみだしトーク1 羽田 日本の知が世界の知の構造を大きく変えた例はまだないと思いますが、私はグローバルヒストリーでそれを試みています。欧米と違う日本独特の世界観と歴史観で世界の歴史の新しい描き方を提示したい。そう簡単にはいきませんが。 苅谷 80~90年代、日本的経営システムの長所は国外から注目されました。影響力があったのは確かで、今もトヨタの生産方式は世界に通用します。その強さの秘密の一端は教育にあるということで、日本の教育も注目されました。日本の追いつき型近代という今の私の研究テーマのなかで教育政策は宝の山です。様々なイデオロギーが入り込んでいる。海外の研究者も日本にいる研究者も気づきにくいことです。 羽田 日本語の「近代」をそのまま「modernity」に翻訳しても話が成り立たないという難しさがありますね。 はみだしトーク2 羽田 本当に国際的な大学とは、国際担当理事がいない大学、international divisionのような部署がない大学だろうと思うんです。オックスフォードには国際本部なんてありませんよね? 苅谷 いかに国際化を進めるかという部署だとすると、それはないです。 羽田 日本人とその他を分けている限り、国際的ではありません。でも、日本の大学の事務体制はそのように分かれています。 苅谷 ヨーロッパのほかの古い大学がTHEでランクの低いなか、オックスフォードやケンブリッジは英語圏の強みで何とか国際性が認められています。アメリカの大学は留学生は多いがドメスティックで、自国のためという姿勢が基本です。 羽田 アメリカで国際化と言っても英語以外の言語は考えないでしょう。「国際的」と「international」の意味も違いますね。   はみだしトーク3 苅谷 私にとって最初の海外体験は、留学前の語学研究で行った夏のカリフォルニアです。もうあらゆることが楽しかった。その後の留学はノースウェスタン大学でした。 羽田 シカゴですね。 苅谷 博士課程を始めるというのに全然英語が通じず、苦労しました。オーラルなんてとんでもない話で。日本人は読めて書けるというけど、それもダメでした。 羽田 私は最初がソ連。留学はイラン革命の余波でパリでした。冬に着いたら、寒いのに暖房がない部屋。器具を買いに行ったら何度言っても売ってくれず。小切手か現金かを聞かれていたと後で知りましたが、小切手なんて語は初耳で(笑)。 苅谷 日本で学ぶ語学では、そういうローカルな表現までは習いませんから。 羽田 ヨーロッパの冬はきついですよね。 苅谷 シカゴの冬もきついです(笑)。     向ヶ岡ファカルティハウス(アブルボア) 今回の対談場所は弥生キャンパスにあるAbreuvoir(フランス語で「動物たちの水飲み場」の意)。アーティスティックな雰囲気のレストラン、木をふんだんに使ったバー、14部屋の宿泊施設、会議室を備えたファカルティハウスです。http://www.abreuvoir.co.jp ファルク地球儀レプリカ 江戸時代の輸入地球儀で現存する最古のものが長崎県の松浦史料博物館にあります。1700年にオランダのファルクが製作 し、平戸藩主・松浦静山が伝えてきたもの。北海道がなくオーストラリア辺りが不正確なのは製作が伊能忠敬やクックの登場前だから。銅版画家でもある製作者 による美しい球体が大航海時代の息吹を現代に伝えます。 渡辺教具製作所 blue-terra.jp     写真:貝塚 純一 ※本記事は広報誌「淡青」34号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。     トピックス 淡青 このページの内容に関する問い合わせは広報室までお願いします。 お問い合わせ ソーシャルメディア 東京大学における災害時の情報発信 サイトマップ サイトポリシー プライバシーポリシー 採用情報 UTokyo Portal utelecon よくある質問 本サイトの管理・運営は広報室が行なっています。 各ページの内容に関連するお問い合わせは、当該ページに記載の問い合わせ先までお願いします。 アクセス・キャンパスマップ © The University of Tokyo 柏キャンパス 本郷キャンパス 駒場キャンパス アクセス・キャンパスマップ 閉じる 戻る アクセス・キャンパスマップ 閉じる 戻る アクセス・キャンパスマップ 閉じる 戻る アクセス・キャンパスマップ 閉じる

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